バイト先の鍵を失くしたけど、意外なところで見つかったおはなし

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「バイト先の鍵がない!!」

 

これは家を出るときの私だ。今日は大学に行ってからそのままバイトに行くのだが、バイト先の鍵が見つからない。鍵がないとお店が開けられない、今日の営業をお休みにしてしまうということだ。これは一大事だ。今日の大学の出席は諦め、死に物狂いで部屋を探すことにした。

 

鍵は普段、バイトの制服の胸ポケットに閉まってある。おとといの出勤日もたしかに閉めて持って帰ってきたはずだ。そうでなければ昨日の時点で誰かから「鍵かけてないぞ!」と怒られているはずだ。つまり、バイト先から家までの間か自分の家にしか有り得ないということになる。しかし、胸ポケットに閉まっているはずなのでそうそう道で落とすことなどない。私の事だから着替えるときにすっぽ抜けたりしたのだろうと思い床やクローゼット、棚の周りなどを探し始めた。

 

 

ここで簡単に見つかるようではこういう風に記事にはしていないだろう。当然見つかるわけもなく、ありそうにない机やベッドの方も見始めた。これはどうだろうか、もちろん見つからない。範囲を広げて家中探してみることにした。

 

 

ちなみに鍵には大きめのストラップがついていて音もなるのである程度の場所は絞れる。キッチン、リビング、トイレ、玄関、下駄箱、あらゆる場所を探した。これでもない。ええいやけくそだ、もう一度最初に戻ってくまなく探した。それでもやっぱり見つからない。もうこうなるとあとは家の誰かが間違えて持ち去ってしまったに違いない、うんそうだそうだ、私は悪くない。そう信じこませ大学をサボり、鍵を失くしたにも関わらず、デレステを始めた。

 

 

エチュードは一曲だけ」という楽曲のイベント開催中だった。報酬が貰えるまでもう少しだったので軽く周回した。とても好きな曲なので君にも聞いて欲しい。


【楽曲試聴】「エチュードは1曲だけ」(歌:渋谷凛、上条春菜、神谷奈緒、神崎蘭子、三船美優)

 

 

時間を忘れるくらい夢中になっていたわけではない。終始、鍵を失くした不安感と大学を休んだ罪悪感に苛まれていた。こんな複雑な状況で音ゲーをするやつがあるかと。

 

 

ボーダーラインに到達したのでデレステを閉じて、ぐっと背伸びをしてみた。すると真横の床にチャリンを何かが音を立てて落ちた。

 

 

そう、バイト先の鍵だ。

 

 

まるで空から降ってきたかのように舞い降りた鍵。とてもほっとしたと同時に疑問が生じた。なぜ空から?親方空から鍵が!状態だ。落ち着いて鍵が降ってきた状況を思い出して再現してみる。

 

 

 

背伸びをした時だな。しかしそれでどこから落ちるというのだ。当たり前だがポケットや鍵のありそうな服の部位は全部調べてある。今更出てくるはずなどない。

 

 

いや、待てよ、今はもう暑い夏。制服を腕まくりしている状態で放置している。まさか。

 

 

そのまさかだ。鍵は腕まくりして重なっている左の袖の中に入り込んでいたのだ。恐らく胸ポケットは左なのでなにかの拍子にするっと綺麗に腕まくりの中に入ってしまったのだろう。灯台下暗しにも程がある。鍵を探していたその腕に鍵が入っていたなんて思いもよらない。

 

 

 

すごくほっとしたと同時にあほくさくて笑いが止まらなかった。みなさんも鍵を失くしてしまったら一旦忘れて楽しいことをするといいかもしれません。すると思いもよらぬところから見つかるかもしれません。